BLOG ARTICLE / 業種別の年収と30代前半

【2026年度版(令和8年度)】
業種別の年収ランキング
30代前半で「すでに高い業種」はどこか

公開日: 2026-06-06 更新日: 2026-06-06 監修: DataLabo 編集部 カテゴリ: 業種別年収 / 年収偏差値

業種別の年収ランキング|30代前半で「すでに高い業種」はどこか【令和7年データ・散布図】

第1章:「平均年収ランキング」だけでは見えないもの

「どの業界が稼げるのか」を知りたいとき、多くの人がまず目にするのは 業種別の平均年収ランキング です。しかし、その「平均」には、20代の若手からベテランの管理職まで、あらゆる年代の人がまとめて含まれています。

そのため、平均年収が高い業種が、必ずしも 「若いうちから高い」とは限りません。長く勤めて初めて高くなる年功型の業種もあれば、入社して数年で全体平均に近い水準に届く業種もあります。同じ「平均年収600万円台」でも、中身はまったく違うのです。

そこでこの記事では、厚生労働省の令和7年 賃金構造基本統計調査(2026年3月24日公表)の産業別データを使って、「全年齢の平均年収」と「30代前半(30-34歳)の年収」 という2つの物差しで業種を並べ直します。30代前半は、転職やキャリアの方向づけを考える人がもっとも多い年代です。「いまの自分の年代で、すでに高い業種はどこか」を、散布図とランキングで読み解いていきましょう。

出典: 厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」結果の概況(2026年3月24日公表)。本記事の年収は、一般労働者(男女計・学歴計・企業規模計10人以上)の きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額 で換算した、産業大分類ごとの平均値です。残業代・各種手当・賞与を含みます。

VIEWPOINT / この記事の視点
「全年齢平均」と「30代前半」の2つで業種を見る
横軸に 全年齢の平均年収(業種全体の水準)、縦軸に 30-34歳の年収(若手のうちの水準)を取ると、「全体でも若手でも高い業種」「全体は高いが若手はこれから(年功型)の業種」「どちらも控えめな業種」が一目で分かれます。

第2章:業種別 年収ランキング(30代前半・令和7年)

まず、30-34歳の年収が高い順に、産業大分類16業種を並べたものが次の表です。あわせて、全年齢の平均年収と、30代前半の全業種平均(約507万円)からの差も示します。

順位 業種(産業大分類) 30代前半の年収 全年齢の平均年収 30代前半の
全業種平均との差
1鉱業・採石業・砂利採取業711.3648.4+204.0
2電気・ガス・熱供給・水道業680.1755.4+172.8
3学術研究・専門・技術サービス業666.0714.1+158.7
4金融業・保険業651.4723.9+144.1
5情報通信業593.8668.4+86.5
6不動産業・物品賃貸業590.4592.1+83.1
7建設業552.1592.1+44.8
8運輸業・郵便業508.9506.1+1.6
9製造業501.1553.6-6.2
10卸売業・小売業490.2562.0-17.1
11教育・学習支援業481.6598.0-25.7
12医療・福祉456.0478.8-51.3
13複合サービス事業444.0516.5-63.3
14生活関連サービス業・娯楽業423.8431.1-83.5
15その他サービス業413.5426.1-93.8
16宿泊業・飲食サービス業397.5402.6-109.8

単位:万円。きまって支給する現金給与額×12+年間賞与(一般労働者・男女計・学歴計)。鉱業は労働者数が少なく、数値が大きく振れやすい点に留意してください。

1位の鉱業は、対象となる労働者数がもともと少ない業種で、年によって数値が大きく動きます。安定して上位にあるのは、電気・ガス、学術研究(専門・技術サービス)、金融・保険、情報通信 といった、専門性や設備・資本の比重が大きい業種です。一方で、宿泊・飲食、生活・娯楽、医療・福祉などは、30代前半の年収が全業種平均を下回っています。

ただし、この表の順位は 業種そのものの優劣を決めるものではありません。同じ業種の中にも年収の高い人・低い人がいて、個人差は業種間の差よりずっと大きいのが実情です。表はあくまで「平均的な傾向」を示す地図として読んでください。


第3章:散布図で見る — 「全体」と「30代前半」を2軸で重ねる

ランキングは順位を一列に並べますが、それだけでは「全年齢平均」と「30代前半」の 関係 が見えません。そこで、横軸に全年齢の平均年収、縦軸に30代前半の年収を取って、16業種を散布図にマッピングしました。

業種別 年収マップ:全年齢平均 × 30代前半(令和7年)
INCOME BY INDUSTRY — all-ages average vs age 30-34, 2025
業種別に、横軸の全年齢平均年収と縦軸の30代前半(30-34歳)年収をマッピングした散布図。情報通信業は全年齢668万円・30代前半594万円で、どちらも全業種平均(545万円・507万円)を上回る右上の位置にある。電気ガス・学術研究・金融も右上。教育は全年齢598万円だが30代前半は482万円で右下寄り(年功型)。 400 450 500 550 600 650 700 400万 500万 600万 700万 全業種平均 545.6万 → ↑ 30代前半 全業種平均 507.3万 全体でも若手でも高い ↗ 鉱業※ 建設 製造 電気・ガス 情報通信 運輸 卸売・小売 金融・保険 不動産 学術研究 宿泊・飲食 生活・娯楽 教育 医療・福祉 複合サービス その他サービス 全年齢の平均年収(万円)→ 30代前半(30-34歳)の年収(万円)↑
読み方:点線の十字が全業種平均(横=全年齢545.6万、縦=30代前半507.3万)です。右上のエリアにある業種は「全体でも、30代前半でも高い」グループ。情報通信・電気ガス・学術研究・金融はここに入ります。右下(横は高いが縦は低い)は、年代とともに伸びる年功型。左下はどちらも控えめなグループです。※鉱業は労働者数が少なく振れやすいため参考。
SOURCE:厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」第1表(産業別・年齢階級別、一般労働者・男女計・学歴計・企業規模計10人以上)。年収=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額。

散布図にすると、ランキング表では分からなかった構造が見えてきます。多くの点は左下から右上へゆるやかに並びますが、同じ全年齢平均でも、30代前半の高さは業種によってばらつく のがポイントです。次章から、注目すべき位置にある業種を順に見ていきましょう。


第4章:情報通信業 — 「全体でも、若手でも高い」右上のグループ

今回ハイライトした 情報通信業 は、全年齢平均が約668万円、30代前半が約594万円。どちらも全業種平均(545.6万円・507.3万円)を上回り、散布図では右上のエリアに位置します。30代前半の年収は全業種平均を約87万円上回る水準です。

情報通信業がこの位置にある背景には、いくつかの業種特性が考えられます。ソフトウェアや通信といった分野では、専門的なスキルが比較的早い段階で評価されやすく、年功だけに頼らない賃金体系をとる企業も少なくありません。需要に対して専門人材が不足しがちな構造も、若手の処遇を押し上げる方向に働きます。

電気・ガス(約680万円)、学術研究・専門技術サービス(約666万円)、金融・保険(約651万円)も、同じ右上のグループです。これらに共通するのは、設備・資本や専門知識・許認可といった 参入のハードルが高く、一人あたりの生み出す付加価値が大きい という業種の性質です。賃金の高さは、こうした構造的な要因と結びついています。

FACT-CARD
情報通信業(令和7年・一般労働者・男女計)
30代前半(30-34歳)の年収 約594万円(全業種平均 +約87万円)/ 全年齢平均 約668万円
→ 散布図では「全体でも若手でも高い」右上のグループに位置

学歴で見ると — 情報通信業は「大学院卒」が押し上げている

ここまでの数字は、中学卒から大学院卒までをまとめた 「学歴計」 の平均です。では、大学卒(大学院を除く)だけに絞ると、景色はどう変わるでしょうか。

実は、情報通信業はここで少し特殊な動きをします。大卒だけでみた30-34歳の年収は約573万円で、学歴計(約594万円)よりも 低く なります。16業種の中で「大卒 < 学歴計」が起きるのは、情報通信業と電気・ガス・熱供給・水道業の2業種だけ です(電気・ガスも学歴計680万円に対し大卒662万円)。残りの14業種は、通常どおり大卒のほうが学歴計より高くなります。

業種(30-34歳)学歴計大学卒のみ
金融業・保険業651.4703.5
学術研究・専門技術サービス業666.0701.1
電気・ガス・熱供給・水道業680.1661.9
情報通信業593.8573.3
教育・学習支援業481.6492.7
産業計(全業種)507.3563.8

単位:万円。きまって支給する現金給与額×12+年間賞与(一般労働者・男女計・30-34歳)。

理由は、これらの業種に 大学院卒の高い専門人材(技術者・研究職)が多く、その層が学歴計の平均を押し上げているためと考えられます。とくに情報通信業の高さは、大卒の標準的な水準というより、大学院卒を含む専門人材の厚み に支えられている、と読めます。

大卒だけで30代前半を並べると、上位は金融・保険(約704万円)、学術研究(約701万円)、電気・ガス(約662万円)が目立ち、情報通信業(約573万円)は産業計の大卒平均(約564万円)をわずかに上回る位置になります。「学歴計で見るか、大卒で見るか」で主役が入れ替わるのも、業種データの奥行きです。なお本記事の散布図とランキング(第2章・第3章)は、学歴の偏りに左右されにくい 学歴計 をベースにしています。


第5章:年功型 と フラット型 — 同じ高年収でも中身が違う

散布図の 右下 に目を向けると、別のタイプの業種が見えてきます。代表が 教育・学習支援業 です。全年齢平均は約598万円と高い水準ですが、30代前半では約482万円で、全業種平均を下回ります。全体平均と30代前半の差は116万円と大きく、これは 年代とともに賃金が上がる「年功型」 の傾向が比較的強いことを示しています。

製造業(全年齢554万円/30代前半501万円)や卸売・小売業(562万円/490万円)も、やや年功型に寄ります。これらの業種では、30代前半の段階ではまだ全体平均ほどの水準に届いていない、と読めます。

逆に 運輸・郵便業(506万円/509万円)や 不動産業(592万円/590万円)は、全年齢平均と30代前半がほぼ同じ「フラット型」です。年齢による賃金の伸びは穏やかで、早い段階で全体平均に近い水準に届きます。

つまり、「全年齢平均が高い業種」と「30代前半で高い業種」は、必ずしも一致しません。どちらが良い・悪いではなく、賃金の上がり方の『形』が業種ごとに違う ということです。長く勤めて伸びる業種を選ぶか、早くから高い業種を選ぶかは、自分のキャリアの時間軸によって意味が変わります。


第6章:なぜ業種で、こんなに違うのでしょうか

業種による年収の差は、努力や能力の差というより、その業種が置かれた構造 から生まれる部分が大きいと考えられます。主な要因を整理すると、次のようになります。

これらは特定の業種で働く人の価値を否定するものではありません。医療・福祉や教育のように、社会に不可欠でありながら賃金が市場原理だけでは決まりにくい分野もあります。数字の背後にある構造を踏まえることで、ランキングを 冷静な地図 として使えるようになります。


第7章:このデータを、どう使うか — 決めるのはあなた自身

業種別の年収を知ると、「いまの業種のままでいいのだろうか」と考える人もいるでしょう。一方で、年収だけが仕事を選ぶ基準ではない、という人も多いはずです。どちらの考え方も自然なものです。

このデータの使い方は、大きく分けて3つあります。

大切なのは、業種の平均という「全体の傾向」と、自分自身の「現在地」を分けて考えることです。平均が高い業種にいても自分は平均以下ということもあれば、その逆もあります。次の章で、自分の正確な位置を確かめる方法を紹介します。


第8章:あなたの業種での年収偏差値は?

業種は、年収偏差値を動かす 6つの属性(性別・年齢・学歴・企業規模・業種・都道府県) の一つです。同じ年収600万円でも、業種を「情報通信業」から「宿泊・飲食サービス業」に変えるだけで、偏差値の位置づけは大きく変わります。

「自分の業種・年代だと、いま何位くらいなのか」を知りたい方は、年収偏差値チェッカーで約1分で診断できます。業種を切り替えながら比較すれば、この記事の散布図が「自分ごと」として見えてきます。

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年代別の比較をしたい方は 中央値版(実感に近い順位)、雇用形態で比べたい方は 雇用形態版 もあわせてご覧ください。


第9章:よくある質問

Q. 30代前半(30-34歳)で年収が高い業種はどこですか?
令和7年 賃金構造基本統計調査(一般労働者・男女計・全学歴)でみると、30-34歳の年収は鉱業(711万円・小規模で参考値)、電気・ガス・熱供給・水道業(約680万円)、学術研究・専門技術サービス業(約666万円)、金融・保険業(約651万円)、情報通信業(約594万円)の順で高くなります。賞与込みの年収(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与)です。
Q. 情報通信業は若いうちから年収が高いのですか?
はい。令和7年データで情報通信業の30-34歳の年収は約594万円で、全業種の30代前半平均(約507万円)を約87万円上回ります。全年齢平均(約668万円)でも上位で、「全体でも、若手のうちでも高い」数少ない業種の一つです。専門スキルが早い段階で評価されやすい業種特性が背景にあると考えられます。
Q. 教育や製造はなぜ30代前半の年収が相対的に低めなのですか?
これらは勤続年数とともに賃金が上がる「年功型」の傾向が比較的強い業種です。教育・学習支援業は全年齢平均が約598万円と高い一方、30-34歳では約482万円で、年代が上がるにつれて差が縮まります。30代前半の水準だけで業種の優劣を判断するのではなく、年齢に伴う賃金カーブの形が業種ごとに異なる、と理解するのが適切です。
Q. この年収ランキングは何を基準にしていますか?
厚生労働省 令和7年 賃金構造基本統計調査 第1表の産業別データ(一般労働者・男女計・学歴計・企業規模計10人以上)をもとに、きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額で年収換算した値です。残業代・各種手当・賞与を含みます。個人や特定企業ではなく、産業大分類ごとの平均値です。
Q. この年収は大卒だけの数字ですか?
いいえ。散布図とランキングは中学卒から大学院卒までを含む「学歴計」の平均です(学歴の偏りに左右されにくいため)。大学卒だけに絞ると景色が変わり、たとえば情報通信業は大卒の30-34歳が約573万円で、学歴計(約594万円)を下回ります。16業種で「大卒<学歴計」となるのは情報通信業と電気・ガス・熱供給・水道業の2業種で、大学院卒の専門人材が多く学歴計の平均を押し上げているためと考えられます(残る14業種は大卒のほうが高い)。学歴も含めた自分の位置は年収偏差値チェッカーで確認できます。
Q. 自分の業種での年収偏差値はどこで分かりますか?
年収偏差値の診断ツール(/hensachi/)で、性別・年齢・学歴・企業規模・業種・都道府県を入力すると、令和7年 賃金構造基本統計調査に基づく偏差値が約1分で分かります。業種は偏差値を動かす6つの属性の一つで、同じ年収でも業種を変えると位置づけが変わります。

第10章:ランキングは「順位」ではなく「地図」として

業種別の年収ランキングは、ともすれば「勝ち負け」の話に見えてしまいます。けれど、令和7年のデータを2軸で読み解くと、見えてくるのは 賃金の上がり方の多様さ です。早くから高い業種、長く勤めて伸びる業種、社会を支えながら市場原理だけでは測れない業種——それぞれに異なる構造があります。

大切なのは、ランキングの順位そのものより、その地図のどこに自分がいるかを知ること です。全体の傾向を知ったうえで、自分の現在地を確かめ、これからどう動くか(あるいは動かないか)を決める。その判断の主体は、いつでもあなた自身です。

あなたの年収偏差値を診断する(年収偏差値チェッカー・約1分)→


編集部より
DataLabo 編集部
年収偏差値ラボ(DataLabo)編集部は、厚生労働省・金融庁などの公的統計のみを一次出典として、年収・資産・退職金の偏差値を解説しています。本記事は令和7年 賃金構造基本統計調査 第1表(2026年3月公表)の産業別・年齢階級別データに基づき、推測値を用いず、出典・算出方法を明記する方針で執筆しています。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」(一般労働者・男女計・学歴計・企業規模計10人以上)で換算しています。

記事出典・参考データ: - 厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」結果の概況(2026年3月24日公表) - URL: https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/ - 第1表「年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」産業別シート(一般労働者・男女計・学歴計・企業規模計10人以上) - 算出式: 年収 = きまって支給する現金給与額(千円・月額)× 12 + 年間賞与その他特別給与額(千円) - 射程(適用範囲): 一般労働者(フルタイム勤務者)。短時間労働者・役員・自営業者は含みません。鉱業・採石業・砂利採取業は労働者数が少なく、数値が振れやすい点に留意。

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