【2026年度版(令和8年度)】
年代別の貯金額はいくら?
平均と中央値で見る「本当の真ん中」とゼロ世帯の現実
「同世代って、貯金いくらあるんだろう」——通帳の残高を見て、ふとそう思ったことはありませんか。ネットで「30代 貯金 平均」と検索すると、数百万円という数字が並びます。でも、自分のまわりの感覚とくらべて「ちょっと高すぎる気がする」と感じた方も多いはずです。
その違和感は、まったく正しいものです。本記事では、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025」(2025年12月18日公表)の公式値を使って、年代別の貯金額(金融資産)が「平均」と「中央値」でまるで違うこと、そして中央値こそが実感に近い「真ん中の人」であることを、図と早見表で読み解きます。
平均は全員の金融資産を合計して人数で割った値で、一部の富裕層が極端に多く持つと上方向に引っ張られます。中央値は全員を金額順に並べてちょうど真ん中に来る人の額で、富裕層の影響を受けにくく、「普通の人」の水準に近づきます。金融資産では、この2つが2倍〜8倍も離れることがあります。
第1章:「貯金 平均」の数字に違和感を覚える理由
検索で出てくる「年代別の貯金の平均」は、たしかに公的な調査に基づいた本当の数字です。けれども、平均という計算方法には大きなクセがあります。それは、ごく一部のお金持ちが、全体の数字を大きく押し上げてしまうという性質です。
たとえば、9人が貯金100万円、1人が貯金1億円の集団を考えてみます。この10人の平均は約1,090万円になります。けれども、9人にとって「平均1,090万円」はまるで実感に合いません。真ん中(中央値)は100万円だからです。金融資産の世界では、これと同じことが日本全体の規模で起きています。
「平均」は、一部の富裕層という外れ値に引っ張られた数字です。だからこそ、自分の立ち位置を知りたいときは、平均ではなく中央値を見るのが正解です。
第2章:単身世帯の貯金は、平均と中央値でこんなに違う
まずは単身(ひとり暮らし)世帯です。J-FLEC 2025の年代別データで、平均と中央値を並べると、その差の大きさに驚きます。
中央値は、20代37万円から60代300万円まで、年齢とともに少しずつ増えます。けれども平均ほど急には伸びません。これは、年齢が上がるほど「たくさん貯めた一部の人」と「ほとんど貯められていない人」の差が開いていくためです。
第3章:二人以上世帯でも、平均は「お化け」になる
家族世帯(二人以上世帯)でも、構図は同じです。金額は単身より大きくなりますが、平均と中央値の乖離はやはり大きく残ります。
第4章:年代別 早見表 — 平均・中央値・ゼロ世帯
単身・二人以上の両方を、平均・中央値・ゼロ世帯比率まで一覧にまとめます。自分の年代の行を、まず「中央値」から見てください。
| 年代 | 単身 平均 | 単身 中央値 | 単身 ゼロ% | 二人以上 平均 | 二人以上 中央値 | 二人以上 ゼロ% |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20代 | 255万 | 37万 | 33.2% | 525万 | 125万 | 21.6% |
| 30代 | 501万 | 100万 | 32.3% | 1,096万 | 311万 | 17.6% |
| 40代 | 859万 | 100万 | 32.1% | 1,486万 | 500万 | 18.8% |
| 50代 | 999万 | 120万 | 35.2% | 1,908万 | 700万 | 18.2% |
| 60代 | 1,364万 | 300万 | 30.4% | 2,683万 | 1,400万 | 12.8% |
| 70代 | 1,489万 | 500万 | 20.4% | 2,416万 | 1,178万 | 10.9% |
金額の単位はすべて万円です。年収との関係や「年収が高いのに貯まらない」現象については、年収と金融資産の本当の関係でくわしく扱っています。
第5章:中央値が低い「もう一つの理由」— ゼロ世帯の多さ
中央値がここまで低く出るのには、平均が富裕層に引っ張られること以外に、もう一つ大きな理由があります。それは、金融資産がまったくない「ゼロ世帯」が想像以上に多いことです。
ゼロ世帯の全体像については、金融資産ゼロ世帯は日本に何%存在するかでさらにくわしく解説しています。
第6章:平均でも中央値でもなく、「偏差値」で見る
ここまでで、平均は実感とずれること、中央値が「真ん中の人」に近いことが分かりました。では、自分の貯金が同世代のなかで上位何%なのかを知るには、どうすればよいでしょうか。
その答えが資産偏差値です。偏差値は、真ん中(中央値に近い水準)を50として、自分がそこからどれだけ上か下かを数値にしたものです。学校のテストと同じ考え方で、金額の大小だけでは分からない「順位としての立ち位置」が分かります。
資産偏差値とは何かをもう少し知りたい方は、資産偏差値とは何かもあわせてご覧ください。上位層がどのくらいの金額なのかは、金融資産 上位1%は何円かで確認できます。
第7章:あなたの貯金の「立ち位置」を診断する
早見表で同世代の中央値が分かったら、次は自分の番です。資産偏差値(金融資産版)では、年代と世帯類型を指定したうえで、あなたの金融資産が同じ条件の人のなかで偏差値いくつ・上位何%・100人中何位かを確認できます。
J-FLEC 2025のゼロ世帯を含む分布をもとに算出するため、平均だけを見るより正確に、そして実感に近い形で立ち位置がつかめます。名前やメールアドレスの登録は不要で、画面で数字を選ぶだけです。
【あなたの貯金が同世代で上位何%か】資産偏差値を診断する(資産偏差値チェッカー・約1分)→
年代・世帯類型を選んで、金融資産の偏差値と順位がすぐに分かります。
【年収のほうの立ち位置も見たいなら】中央値版の年収偏差値で診断する(約1分)→
真ん中の人を偏差値50に置く、実感に近い方式です。
第8章:よくある質問
第9章:まとめ — 「平均」ではなく「真ん中」で自分を見る
年代別の貯金額は、平均で見ると実感より高く、中央値で見るとぐっと身近になります。J-FLEC 2025の公式値では、たとえば次のとおりです。
単身:30代 中央値100万円(平均501万円)/ 50代 中央値120万円(平均999万円)
二人以上:30代 中央値311万円(平均1,096万円)/ 50代 中央値700万円(平均1,908万円)
単身世帯は全年代で約3割が金融資産ゼロ。
大切なのは、平均という「お化け」におびえないことです。数字は、あなたを採点する道具ではなく、いまの立ち位置を確かめるための地図です。早見表で全体を見たうえで、自分の正確な順位は、資産偏差値で確かめてみることをおすすめします。
あなたの貯金の立ち位置を診断する → 資産偏差値(金融資産版)
年収偏差値ラボ(DataLabo)編集部は、厚生労働省・J-FLEC などの公的統計のみを一次出典として、年収・資産・退職金の偏差値を解説しています。本記事の金融資産の平均・中央値・ゼロ世帯比率は、J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査 2025」(2025年12月18日公表)の単身世帯・二人以上世帯の年代別公式値です。金融資産には預貯金・有価証券・保険等を含み、不動産・自動車などの非金融資産は含みません。中央値・ゼロ世帯比率は調査時点のものであり、景気や物価の動向で変化します。