BLOG ARTICLE / 01 平均値版

【令和7年最新】年収平均は本当に 494 万円?
賃金構造基本統計調査で見るあなたの位置

公開日: 2026-04-30 所要: 約 6 分

第1章:「年収平均494万円」と聞いて、納得できますか?

2026 年 3 月、厚生労働省から「令和7年 賃金構造基本統計調査」結果の概況が公表されました。男女計の所定内給与額(月額)は 340.6 千円。これに賞与込みの年収係数 14.5 を掛けると、日本人の平均年収はおよそ 494 万円になります。

でも、こう感じた方は多いのではないでしょうか。

「自分の年収はそんなにない…」
「周りの同期も、そんなにもらってる人いない気がする」
「平均って、実は高めに出てるんじゃないか?」

その違和感には、きちんとした統計学的な根拠があります。日本の所得分布は右に長く裾を引く(右裾の歪んだ)形をしているため、一部の高所得者が平均値を押し上げているのです。実際、国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和6年分)の平均給与は 478 万円。賃金構造基本統計調査の 494 万円とは、調査対象や賞与の扱いの違いから 16 万円のギャップがあります。

本記事では、令和7年データから「平均494万円」の中身を分解し、あなたの年収偏差値が同世代・同業種・同性別でどの位置にあるのかを、客観データで明らかにします。

第2章:「平均494万円」を分解する

令和7年 賃金構造基本統計調査の所定内給与額(月額)を、属性別に並べると以下のようになります。

区分月額(千円)年収換算(万円)全国平均比
男女計340.6494基準
男性373.4541+47 万
女性285.9414−80 万
正社員・正職員358.8520+26 万
正社員・正職員以外241.7350−144 万

ご覧の通り、「平均494万円」と一言で言っても、男女で 127 万円、雇用形態で 170 万円もの差があります。あなたが「平均より下」と感じるかどうかは、どの集団と比較するかで全く違ってくるのです。

年代別に見ると、さらに明確

正社員・男性の年代別月額(千円)はこうなっています。

年齢正社員 男年収換算(万円)
25-29歳292.4424
30-34歳337.0489
35-39歳374.2543
40-44歳406.3589
45-49歳429.7623
50-54歳449.2651
55-59歳(ピーク)460.7668
60-64歳390.5566

30 代前半で 489 万円、40 代前半で 589 万円、50 代後半でピークの 668 万円 — 年代が変われば、平均も大きく変わる。「全国平均494万円」は、これら全年代の混合値に過ぎないのです。

視点:自分が比較すべき「平均」は、全国平均ではない

もしあなたが 35 歳・男性・正社員なら、比較すべきは「全国男女計 494 万円」ではなく、「35-39歳・男性・正社員 543 万円」です。同じ年収 500 万円でも、前者なら平均超え、後者なら平均以下。

このように、属性を絞った「同年代・同性別」の平均を知ることが、本当の自分の位置を測る出発点になります。

第3章:「平均値」と「中央値」の違い — どちらが実感に近い?

所得統計を語るとき、「平均値」と並んで重要なのが 中央値(メディアン)です。中央値とは、全員を年収順に並べたとき、ちょうど真ん中の人の年収のこと。

日本の所得分布は右に長く裾を引いているため、平均値は中央値より高くなります。具体的には:

つまり、「平均494万円」は半分以上の人より高い数字なのです。「自分の年収は平均以下だ」と感じる人が多いのは、この分布の歪みが原因です。

とはいえ、「年収偏差値」という概念は本来 平均値ベースで計算されるもの。偏差値 50 = 平均、偏差値 60 = 上位約 16%、というのが標準的な解釈です。だからこそ、まずは 平均値ベースの偏差値で自分の位置を測ることが、最も統計的に正統な出発点になります。

第4章:偏差値という「位置を見る道具」

偏差値は、あなたの値が平均からどれだけ離れているかを示す指標です。

偏差値 = 50 + (あなたの年収 − 平均) ÷ 標準偏差 × 10

このシンプルな式で、以下が読み取れます。

偏差値意味上位
40平均より 1 標準偏差下下位 約 16%
50平均ちょうど真ん中
60平均より 1 標準偏差上上位 約 16%
65平均より 1.5 標準偏差上上位 約 7%
70平均より 2 標準偏差上上位 約 2.3%
75平均より 2.5 標準偏差上上位 約 0.6%

例えば、35歳男性・正社員のあなたが年収 600 万円だったとします。同年代・同性別の平均 543 万円、標準偏差を約 200 万円と仮定すると:

偏差値 = 50 + (600 − 543) / 200 × 10 = 52.85

「全国平均494万円より高いから上位だろう」と思っていたのが、同年代・同性別で見ると平均ちょうどだったと分かる。これが偏差値の力です。

第5章:本当の自分の位置は、6 ベースで見る

1 つの平均だけで偏差値を出すのは粗すぎます。本サイトの「年収偏差値(平均値版)」では、以下の 6 つのベースで同時に偏差値を算出します。

  1. 全国平均 — 日本人全体の平均との比較(494 万円)
  2. 同業種 — 16 業種別の平均(金融業・保険業 = 645 万、医療・福祉 = 449 万 など)
  3. 同年代・同性別 — 11 年齢階級 × 2 性別の平均
  4. 東京都 — 東京基準(係数 1.228)
  5. 同企業規模 — 大企業(558 万)/ 中企業(473 万)/ 小企業(443 万)
  6. 同学歴 — 大学院卒、大学卒、専門・短大卒、高校卒、中学卒

同じ年収 600 万円でも、例えばこんな違いが出ます:

ベース例:35歳男性・大学卒・情報通信業・東京都・大企業の年収600万
全国平均偏差値 約 56(平均超え)
同業種(情報通信業)偏差値 約 50(業界平均ちょうど)
同年代・同性別偏差値 約 53(やや上)
同企業規模(大企業)偏差値 約 47(大企業平均より下)
同学歴(大学卒)偏差値 約 49(同学歴の真ん中)
東京都偏差値 約 49(東京水準では平均ちょうど)

このように、「同じ年収でも、見るベースで偏差値は 7 以上振れる」のが現実です。1 つの「平均494万円」だけで自分の位置を判断するのは、視野が狭すぎるのです。

第6章:1 分でできる、あなたの年収偏差値診断

ここまで読んでくださったあなたは、もう「平均494万円」だけでは自分の位置が見えないことを理解されたはずです。では、あなた自身の属性で 6 ベースの偏差値を出すと、どうなるでしょうか。

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性別・年齢・学歴・業種・都道府県・企業規模・年収を入力すれば、令和7年 賃金構造基本統計調査ベースの偏差値が 6 ベース同時に算出されます。約 1 分。

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「同年代の中ではどう?」「業界内ではどう?」「東京基準ならどう?」 — 一つの数字では見えなかった多次元の自分の位置が、立体的に分かります。

第7章:数字を「自分の武器」に

「年収平均494万円」という数字は、ニュースのヘッドラインとしてはインパクトがありますが、あなた個人の意思決定にはほとんど役に立ちません。重要なのは、自分の属性を絞り込んだ上での平均と、そこからの偏差値です。

今回のポイント:

  1. 令和7年 賃構調の男女計平均は 494 万円(月額 340.6 × 14.5)
  2. 所得分布は右に裾を引くため、中央値(約430万円)は平均より低い
  3. 「平均より下」と感じる人が多いのは、分布の歪みが原因で、自分が劣っているからではない
  4. 本当の位置は、同年代・同性別・同業種など 6 ベースで見るべき

転職、昇給交渉、住宅ローン、結婚、子どもの教育費 — どんな家計判断も、「自分の年収が今、社会のどの位置にあるか」が分かっていなければ始まりません。まずは正確な自分の偏差値を知ることから。