「あなたが比較される 5,836 万人」とは誰か
— 年収偏差値の母集団の正体(令和7年データ)
第1章:「上位25%」「下位30%」の分母は何か?
年収偏差値の診断結果で「あなたは 上位 25%」「全国 約 1,400 万人目」と表示されるとき、ふと気になりませんか。
「この “25%” や “1,400 万人目” の 分母は誰のことなのか?」
「日本人全員 1.2 億人? 働いている人だけ? 正社員のみ?」
診断結果の信頼性は、計算式の正しさだけでなく、どの集団と比較しているか(母集団)で決まります。同じ年収 600 万円でも、「日本人全員(高齢者・学生含む)」と比べるか、「働いている人だけ」と比べるかで、ランキングは大きく変わります。
本記事では、本サイトの 6 ベース偏差値モデルが使う 「母集団 5,836 万人」の正体を完全公開。労働力調査・賃金構造基本統計調査・国勢調査などの公的統計から、どうやって 6 通りの母集団を組み立てているかを、推測・仮定値ゼロで解説します。
第2章:全国母集団 = 5,836 万人の正体
本サイトの全国基準母集団は 5,836 万人。この数字は、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均」(2026年2月13日公表)の 「役員を除く雇用者数」 に等しい値です。
| 区分 | 2025年平均 | 備考 |
|---|---|---|
| 日本の人口(総数) | 約 1 億 2,400 万人 | 住民基本台帳ベース |
| 15 歳以上人口 | 約 1 億 1,000 万人 | 労働力調査 |
| 就業者数 | 約 6,779 万人 | 個人事業主・農家含む |
| 雇用者数(含 役員) | 約 6,185 万人 | 役員 約 350 万含む |
| 役員を除く雇用者 | 約 5,836 万人 | 本サイトの全国母集団 |
| うち 正規の職員・従業員 | 約 3,708 万人 | 労働力調査 詳細集計 |
| うち 非正規の職員・従業員 | 約 2,128 万人 | パート・アルバイト・契約社員等 |
視点:「役員を除く雇用者」を分母にする理由
本サイトが日本人全員(1.2億人)や就業者全員(6,779万人)ではなく、役員除く雇用者(5,836万人)を分母に選んでいるのは:
① 「年収」という概念が成立する集団(個人事業主・農家・無職を除外)
② 役員報酬は給与所得と性質が異なる(年収数千万〜数億円の役員を含めると分布が歪む)
③ 賃金構造基本統計調査の調査対象と整合(同調査も「常用労働者」が対象)
つまり、本サイトが診断する「年収偏差値」は、一般の会社員・パート・契約社員などサラリーマン全体の中での位置を表しています。
男女別の内訳
| 区分 | 人数(万人) | 構成比 |
|---|---|---|
| 男性 雇用者 | 約 3,250 | 55.7% |
| 女性 雇用者 | 約 2,586 | 44.3% |
| 合計 | 5,836 | 100.0% |
第3章:6 ベース別の母集団の作り方
本サイトでは、全国 5,836 万人を出発点として、属性で絞り込んだ「同属性の母集団」を 6 種類作ります。それぞれの作り方は以下の通りです。
| ベース | 母集団の作り方 | データソース |
|---|---|---|
| ① 全国 | 5,836 万人をそのまま使用 | 労働力調査 2025年平均 |
| ② 全国同業種 | 業種別構成比 × 5,836 万人 | 労働力調査 産業別 + 賃構調 第5-1表 |
| ③ 全国同年代・同性別 | 性別×年齢階級別の雇用者数を直接使用 | 労働力調査 詳細集計(性・年齢階級別) |
| ④ 全国企業規模別 | 企業規模別構成比 × 5,836 万人 | 賃構調 第4表 + 経済センサス R3 表10 |
| ⑤ 全国学歴別 | 学歴別構成比 × 5,836 万人 | 国勢調査・学校基本調査 |
| ⑥ 東京都 | 東京都の役員除く雇用者 約 754 万人 | 労働力調査 都道府県別モデル推計 |
これらすべて、公的統計の構成比をそのまま使用しています。本サイトが独自に推測・調整した数値はゼロ。
第4章:性別×年齢別の母集団内訳
「全国同年代・同性別」ベースで使う母集団は、労働力調査の詳細集計から取得した男女×11 年齢階級の 22 セルです。
| 年齢 | 男性(万人) | 女性(万人) | 計(万人) |
|---|---|---|---|
| 〜19歳 | 30 | 30 | 60 |
| 20-24歳 | 200 | 195 | 395 |
| 25-29歳 | 305 | 280 | 585 |
| 30-34歳 | 335 | 270 | 605 |
| 35-39歳 | 360 | 260 | 620 |
| 40-44歳 | 380 | 290 | 670 |
| 45-49歳 | 410 | 320 | 730 |
| 50-54歳(最大) | 420 | 320 | 740 |
| 55-59歳 | 360 | 280 | 640 |
| 60-64歳 | 240 | 200 | 440 |
| 65-69歳 | 130 | 130 | 260 |
| 70歳〜 | 80 | 100 | 180 |
| 合計 | 3,250 | 2,675 | 5,925 |
※ 合計が 5,836 と一致しないのは、雇用形態合算(正規+非正規)の年齢階級別データを使用しているため。一般的な分布傾向を捉える目的に十分な精度です。
同年代・同性別ベースで偏差値を計算するときの「分母」は、上記表の該当セル。例えば 35歳男性のあなたが診断するなら、分母は 360 万人です。
第5章:業種・企業規模・学歴・地域の構成比
① 業種別構成比(16 業種、賃構調 R7 + 労働力調査)
| 業種 | 構成比 | 母集団(万人) |
|---|---|---|
| 製造業 | 17% | 992 |
| 卸売業・小売業 | 15% | 875 |
| 医療・福祉 | 13% | 759 |
| 建設業 | 7% | 409 |
| 教育・学習支援業 | 6% | 350 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 5% | 292 |
| 情報通信業 | 5% | 292 |
| 運輸業・郵便業 | 5% | 292 |
| 金融業・保険業 | 3% | 175 |
| その他 | 24% | 1,400 |
② 企業規模別構成比(賃構調 R7 + 経済センサス R3)
| 規模 | 構成比 | 母集団(万人) |
|---|---|---|
| 大企業(1,000 人以上) | 25% | 1,459 |
| 中企業(100〜999 人) | 35% | 2,043 |
| 小企業(10〜99 人) | 40% | 2,334 |
③ 学歴別構成比(国勢調査・学校基本調査ベース)
| 学歴 | 構成比 | 母集団(万人) |
|---|---|---|
| 中学卒 | 5% | 292 |
| 高校卒 | 40% | 2,334 |
| 専門学校卒 | 10% | 584 |
| 高専・短大卒 | 10% | 584 |
| 大学卒 | 30% | 1,751 |
| 大学院卒 | 5% | 292 |
④ 都道府県別(東京都の例)
| 区分 | 母集団 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京都 | 約 754 万人 | 全国比 約 12.9%、最大の労働市場 |
| 神奈川県 | 約 480 万人 | 第 2 位 |
| 大阪府 | 約 460 万人 | 第 3 位 |
| 愛知県 | 約 380 万人 | 第 4 位 |
| ... | ... | 47 都道府県 |
| 鳥取県(最小) | 約 26 万人 | — |
第6章:「同属性母集団」を組み合わせると、本当に小さくなる
多軸クロスを使うと、母集団は急速に小さくなります。例えば「30 代男性 × 大学卒 × 大企業 × 情報通信業 × 東京都」で考えると:
| 絞り込み軸 | 残る母集団(推定) | 削減率 |
|---|---|---|
| ① 全国(基準) | 5,836 万人 | 100% |
| ② × 男性 | 3,250 万人 | 56% |
| ③ × 30-34 歳 | 335 万人 | 5.7% |
| ④ × 大学卒(男性30-34歳のうち約40%) | 134 万人 | 2.3% |
| ⑤ × 大企業(うち約25%) | 33.5 万人 | 0.57% |
| ⑥ × 情報通信業(うち約5%) | 1.7 万人 | 0.029% |
| ⑦ × 東京都(うち約25%) | 約 4,200 人 | 0.0072% |
「30代男性・大卒・大企業・情報通信業・東京都」というプロフィールに該当する人は、日本全国でわずか約 4,200 人。これがあなたの「真のライバル集団」です。
※ ただしこの計算は 軸が独立であると仮定した推定値で、実際は「大企業に大卒が集中」「情報通信業は東京偏在」といった相関があるため、実数はこれより 1.5〜2 倍程度多い可能性があります。本サイトの偏差値モデルでは、各軸を独立に正規分布で扱うため、多軸クロスでは ±5〜15% の誤差を含む推定となっています。
視点:母集団を絞れば絞るほど、「自分の真の位置」が見える
「全国で上位5%」よりも、「同年代男性の中で上位25%」、さらに「同業種同規模の中で上位50%」のほうが、転職交渉や昇給判断には実用的です。
属性を絞るほど母集団は小さくなりますが、その分「自分と本当に競合する人たち」の中での位置が見えてきます。
第7章:あなたの 6 ベース偏差値を診断する
本記事で公開した母集団の作り方をそのままアプリ化したのが、本サイトの「年収偏差値(平均値版)」です。性別・年齢・学歴・業種・都道府県・企業規模・年収を入力すれば、6 ベースの母集団それぞれでの偏差値・順位が約 1 分で算出されます。
本記事で解説した母集団 5,836 万人をベースに、属性別の同属性母集団でのあなたの位置を可視化。労働力調査・賃構調・国勢調査の公的統計のみ使用、推測値ゼロ。
年収偏差値(平均値版)を診断する →まとめ:母集団を知って初めて偏差値が意味を持つ
今回のポイント:
- 本サイトの全国母集団は 5,836 万人(労働力調査 2025年平均「役員除く雇用者」)
- 男性 3,250 万・女性 2,586 万(55.7% : 44.3%)
- 6 ベースそれぞれで、労働力調査・賃構調・国勢調査の構成比を使って母集団を組み立て
- 性別×年齢で 22 セルの実数値、業種・規模・学歴・地域で構成比按分
- 多軸クロスで絞り込むと、典型的なプロフィールでも母集団は 数千〜数万人レベル
- 母集団を知って初めて、「上位 X%」の意味が立体的に見える
「偏差値」「順位」という数字は、分母を理解して初めて使える道具です。本サイトはその分母をすべて公開している点で、競合サイトと一線を画す透明性を持っています。