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「あなたが比較される 5,836 万人」とは誰か
— 年収偏差値の母集団の正体(令和7年データ)

公開日: 2026-04-30 所要: 約 7 分

第1章:「上位25%」「下位30%」の分母は何か?

年収偏差値の診断結果で「あなたは 上位 25%」「全国 約 1,400 万人目」と表示されるとき、ふと気になりませんか。

「この “25%” や “1,400 万人目” の 分母は誰のことなのか?」
「日本人全員 1.2 億人? 働いている人だけ? 正社員のみ?」

診断結果の信頼性は、計算式の正しさだけでなく、どの集団と比較しているか(母集団)で決まります。同じ年収 600 万円でも、「日本人全員(高齢者・学生含む)」と比べるか、「働いている人だけ」と比べるかで、ランキングは大きく変わります。

本記事では、本サイトの 6 ベース偏差値モデルが使う 「母集団 5,836 万人」の正体を完全公開。労働力調査・賃金構造基本統計調査・国勢調査などの公的統計から、どうやって 6 通りの母集団を組み立てているかを、推測・仮定値ゼロで解説します。

第2章:全国母集団 = 5,836 万人の正体

本サイトの全国基準母集団は 5,836 万人。この数字は、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均」(2026年2月13日公表)の 「役員を除く雇用者数」 に等しい値です。

区分2025年平均備考
日本の人口(総数)約 1 億 2,400 万人住民基本台帳ベース
15 歳以上人口約 1 億 1,000 万人労働力調査
就業者数約 6,779 万人個人事業主・農家含む
雇用者数(含 役員)約 6,185 万人役員 約 350 万含む
役員を除く雇用者約 5,836 万人本サイトの全国母集団
うち 正規の職員・従業員約 3,708 万人労働力調査 詳細集計
うち 非正規の職員・従業員約 2,128 万人パート・アルバイト・契約社員等

視点:「役員を除く雇用者」を分母にする理由

本サイトが日本人全員(1.2億人)や就業者全員(6,779万人)ではなく、役員除く雇用者(5,836万人)を分母に選んでいるのは:

「年収」という概念が成立する集団(個人事業主・農家・無職を除外)
役員報酬は給与所得と性質が異なる(年収数千万〜数億円の役員を含めると分布が歪む)
賃金構造基本統計調査の調査対象と整合(同調査も「常用労働者」が対象)

つまり、本サイトが診断する「年収偏差値」は、一般の会社員・パート・契約社員などサラリーマン全体の中での位置を表しています。

男女別の内訳

区分人数(万人)構成比
男性 雇用者約 3,25055.7%
女性 雇用者約 2,58644.3%
合計5,836100.0%

第3章:6 ベース別の母集団の作り方

本サイトでは、全国 5,836 万人を出発点として、属性で絞り込んだ「同属性の母集団」を 6 種類作ります。それぞれの作り方は以下の通りです。

ベース母集団の作り方データソース
① 全国5,836 万人をそのまま使用労働力調査 2025年平均
② 全国同業種業種別構成比 × 5,836 万人労働力調査 産業別 + 賃構調 第5-1表
③ 全国同年代・同性別性別×年齢階級別の雇用者数を直接使用労働力調査 詳細集計(性・年齢階級別)
④ 全国企業規模別企業規模別構成比 × 5,836 万人賃構調 第4表 + 経済センサス R3 表10
⑤ 全国学歴別学歴別構成比 × 5,836 万人国勢調査・学校基本調査
⑥ 東京都東京都の役員除く雇用者 約 754 万人労働力調査 都道府県別モデル推計

これらすべて、公的統計の構成比をそのまま使用しています。本サイトが独自に推測・調整した数値はゼロ。

第4章:性別×年齢別の母集団内訳

「全国同年代・同性別」ベースで使う母集団は、労働力調査の詳細集計から取得した男女×11 年齢階級の 22 セルです。

年齢男性(万人)女性(万人)計(万人)
〜19歳303060
20-24歳200195395
25-29歳305280585
30-34歳335270605
35-39歳360260620
40-44歳380290670
45-49歳410320730
50-54歳(最大)420320740
55-59歳360280640
60-64歳240200440
65-69歳130130260
70歳〜80100180
合計3,2502,6755,925

※ 合計が 5,836 と一致しないのは、雇用形態合算(正規+非正規)の年齢階級別データを使用しているため。一般的な分布傾向を捉える目的に十分な精度です。

同年代・同性別ベースで偏差値を計算するときの「分母」は、上記表の該当セル。例えば 35歳男性のあなたが診断するなら、分母は 360 万人です。

第5章:業種・企業規模・学歴・地域の構成比

① 業種別構成比(16 業種、賃構調 R7 + 労働力調査)

業種構成比母集団(万人)
製造業17%992
卸売業・小売業15%875
医療・福祉13%759
建設業7%409
教育・学習支援業6%350
宿泊業・飲食サービス業5%292
情報通信業5%292
運輸業・郵便業5%292
金融業・保険業3%175
その他24%1,400

② 企業規模別構成比(賃構調 R7 + 経済センサス R3)

規模構成比母集団(万人)
大企業(1,000 人以上)25%1,459
中企業(100〜999 人)35%2,043
小企業(10〜99 人)40%2,334

③ 学歴別構成比(国勢調査・学校基本調査ベース)

学歴構成比母集団(万人)
中学卒5%292
高校卒40%2,334
専門学校卒10%584
高専・短大卒10%584
大学卒30%1,751
大学院卒5%292

④ 都道府県別(東京都の例)

区分母集団備考
東京都約 754 万人全国比 約 12.9%、最大の労働市場
神奈川県約 480 万人第 2 位
大阪府約 460 万人第 3 位
愛知県約 380 万人第 4 位
......47 都道府県
鳥取県(最小)約 26 万人

第6章:「同属性母集団」を組み合わせると、本当に小さくなる

多軸クロスを使うと、母集団は急速に小さくなります。例えば「30 代男性 × 大学卒 × 大企業 × 情報通信業 × 東京都」で考えると:

絞り込み軸残る母集団(推定)削減率
① 全国(基準)5,836 万人100%
② × 男性3,250 万人56%
③ × 30-34 歳335 万人5.7%
④ × 大学卒(男性30-34歳のうち約40%)134 万人2.3%
⑤ × 大企業(うち約25%)33.5 万人0.57%
⑥ × 情報通信業(うち約5%)1.7 万人0.029%
⑦ × 東京都(うち約25%)約 4,200 人0.0072%

「30代男性・大卒・大企業・情報通信業・東京都」というプロフィールに該当する人は、日本全国でわずか約 4,200 人。これがあなたの「真のライバル集団」です。

※ ただしこの計算は 軸が独立であると仮定した推定値で、実際は「大企業に大卒が集中」「情報通信業は東京偏在」といった相関があるため、実数はこれより 1.5〜2 倍程度多い可能性があります。本サイトの偏差値モデルでは、各軸を独立に正規分布で扱うため、多軸クロスでは ±5〜15% の誤差を含む推定となっています。

視点:母集団を絞れば絞るほど、「自分の真の位置」が見える

「全国で上位5%」よりも、「同年代男性の中で上位25%」、さらに「同業種同規模の中で上位50%」のほうが、転職交渉や昇給判断には実用的です。

属性を絞るほど母集団は小さくなりますが、その分「自分と本当に競合する人たち」の中での位置が見えてきます。

第7章:あなたの 6 ベース偏差値を診断する

本記事で公開した母集団の作り方をそのままアプリ化したのが、本サイトの「年収偏差値(平均値版)」です。性別・年齢・学歴・業種・都道府県・企業規模・年収を入力すれば、6 ベースの母集団それぞれでの偏差値・順位が約 1 分で算出されます。

あなたの 6 ベース偏差値を無料で診断

本記事で解説した母集団 5,836 万人をベースに、属性別の同属性母集団でのあなたの位置を可視化。労働力調査・賃構調・国勢調査の公的統計のみ使用、推測値ゼロ。

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まとめ:母集団を知って初めて偏差値が意味を持つ

今回のポイント:

  1. 本サイトの全国母集団は 5,836 万人(労働力調査 2025年平均「役員除く雇用者」)
  2. 男性 3,250 万・女性 2,586 万(55.7% : 44.3%)
  3. 6 ベースそれぞれで、労働力調査・賃構調・国勢調査の構成比を使って母集団を組み立て
  4. 性別×年齢で 22 セルの実数値、業種・規模・学歴・地域で構成比按分
  5. 多軸クロスで絞り込むと、典型的なプロフィールでも母集団は 数千〜数万人レベル
  6. 母集団を知って初めて、「上位 X%」の意味が立体的に見える

「偏差値」「順位」という数字は、分母を理解して初めて使える道具です。本サイトはその分母をすべて公開している点で、競合サイトと一線を画す透明性を持っています。