【上場2,563社】勤続年数偏差値で見る"定着度"
— 「年収が高い会社ほど長く働ける」は本当か
勤続年数偏差値で見る"定着度" — 「年収が高い会社ほど長く働ける」は本当か
会社を選ぶとき、年収はもちろん気になります。けれど、それと同じくらい大切なのが「その会社で、長く働き続けられそうか」——いわゆる定着度です。
定着度を測る、わかりやすい公開データがあります。上場企業が必ず提出する有価証券報告書に載っている「平均勤続年数」です。本記事では、上場2,563社の平均勤続年数を集計し、それを偏差値にして「定着度の地図」を描きます。そして、多くの人が抱く「年収が高い会社ほど長く働けるはず」という思い込みを、データで検証します。
上場企業の平均勤続年数(有価証券報告書ベース、2,563社)の平均は13.2年。これを偏差値にすると、勤続15年で偏差値53、20年で62です。そして年収と勤続年数の相関はほぼゼロ(r=−0.02)——「年収が高い会社ほど長く働ける」は成り立ちません。
第1章:「長く働ける会社か」を、数字で見てみる
給与の高さは求人情報からある程度わかります。けれど「定着度」——社員がどれくらい長くその会社に居続けるか——は、なかなか見えにくいものです。
そこで役立つのが、上場企業が開示している平均勤続年数です。これは「いま在籍している社員が、平均してその会社で何年働いているか」を表す数字で、会社の定着・安定の度合いを映す指標のひとつになります。
本記事では、金融庁EDINETに公開されている有価証券報告書から上場2,563社の平均勤続年数を集計しました。出典はすべて各社の公式開示で、加工は機械的な抽出・集計のみです。
第2章:上場企業の平均勤続年数は13.2年
まず全体像です。上場2,563社の平均勤続年数は13.2年(中央値14.2年)。最も短い会社で0.5年、最も長い会社で33.0年と、会社によって大きな幅があります。
この分布をもとに勤続年数を偏差値(平均を50とし、ばらつきで標準化した指標)にすると、次のようになります。
第3章:「年収が高い会社ほど長く働ける」は成り立たない
ここからが本題です。多くの人が「年収が高い会社なら、みんな辞めずに長く働くはず」と考えます。本当にそうでしょうか。
上場2,561社で、平均年収と平均勤続年数の関係を計算しました。結果は——相関係数 r = −0.02。これは「ほぼ無関係」を意味します。年収の高さと、社員が長く働くかどうかは、ほとんど連動していないのです。
658万円未満
658万円以上
つまり、会社選びで「年収」と「定着度」は、別々の軸として確認する必要があります。高給でも人が辞めていく会社もあれば、年収は平均的でも長く働き続けられる会社もある——それが上場企業のリアルな姿です。
第4章:勤続年数は、業種で2倍以上変わる
では、勤続年数は何で決まるのでしょうか。年収よりはるかに強く効くのが業種です。上場企業の業種別に平均勤続年数を見ると、2倍以上の差があります。
第5章:勤続年数の「読み方」— 長い・短いに優劣はない
大切なのは、勤続年数の長い・短いに、単純な優劣はないということです。読み方は両面あります。
| 勤続が長い会社 | 勤続が短い会社 |
|---|---|
| 定着・安定している | 若い社員が多い・成長中 |
| 制度・人間関係が成熟 | キャリアの流動性が高い |
| 変化はゆるやか | 転職を前提とした業界も多い |
「腰を据えて長く働きたい」人には勤続の長い会社が、「成長環境で経験を積み、いずれ次へ」という人には勤続の短い業界が合うこともあります。どちらが良いかは、あなたが何を大切にするかで決まります。勤続年数偏差値は、その判断のための一つの物差しです。
本記事は各社の数値(事実)を集計したもので、特定の企業の優劣や「良い・悪い」を評価・序列化する意図はありません。
第6章:年収と定着度、両方の軸で会社を見る
会社選びでは、年収という「いくら稼げるか」の軸と、勤続年数という「長く働けるか」の軸を、あわせて見るのが確かです。年収が高くても定着度が低い会社、年収は平均的でも長く働ける会社——どちらもあるからです。
上場企業の年収の位置(年収偏差値)は、上場企業版で確認できます。
上場企業の年収偏差値を見る → 上場企業 年収偏差値を見る
EDINETの有価証券報告書をもとに、企業の平均年収が全上場企業のなかでどの位置かが分かります。
自分自身の年収の位置を知りたい方は、年収偏差値(平均値版) もあわせてどうぞ。上場役員と一般従業員の世界の違いについては こちらの記事 で解説しています。
第7章:よくある質問
第8章:数字を、会社選びの地図に
勤続年数は、上場企業が必ず開示している「定着度」の手がかりです。上場2,563社の平均は13.2年。そして年収との相関はほぼゼロで、「年収が高い会社ほど長く働ける」という思い込みは、データの上では成り立ちませんでした。
上場2,563社の平均勤続年数:13.2年(中央14.2年)
勤続15年=偏差値53/20年=偏差値62
年収 × 勤続年数の相関:r=−0.02(ほぼ無関係)
業種差:銀行17.3年 / サービス8.1年(2倍以上)
年収と定着度は、別々の軸です。どちらを優先するかはあなた次第。数字は会社を採点する点数ではなく、自分に合う会社を選ぶための地図として役立ててください。
上場企業の年収偏差値を見る → 上場企業 年収偏差値を見る
年収偏差値ラボ(DataLabo)編集部は、公的データ・公式開示のみを一次出典として解説しています。本記事の勤続年数・年収は、金融庁EDINETで公開されている各上場企業の有価証券報告書から機械的に抽出・集計した数値です(上場2,587社、うち勤続年数有効2,563社)。偏差値は集計データから算出した相対的な位置の目安で、特定企業の優劣を評価・序列化する意図はありません。各社の最新の状況は必ず一次情報をご確認ください。
記事出典・参考データ: - 金融庁 EDINET 有価証券報告書(各上場企業の公式開示) - URL: https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/ - DataLabo 集計(上場2,587社/勤続年数有効2,563社、平均13.2年・標準偏差5.46年、年収×勤続 r=−0.02) - 関連:上場企業 年収偏差値 / 上場役員と一般従業員、見えている世界の違い
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