婚活アプリや結婚相談所のプロフィールには、年収の欄があります。しかし、「金融資産」の欄はありません。
年収は「今いくら稼いでいるか」を示しますが、「今までにいくら貯まっているか」は示しません。年収800万円でも毎月使い切っている人と、年収500万円でも10年間コツコツ貯めて2,000万円を持っている人。結婚後の生活の安定度は、後者の方が高いかもしれません。
この記事では、J-FLEC 2025(家計の金融行動に関する世論調査)のデータを使い、婚活の「年収フィルター」では見えない資産の現実を偏差値で可視化します。
婚活の主要な年齢層である30代の金融資産状況を見てみます。
J-FLEC 2025 によれば、30代の二人以上世帯の17.6%が金融資産非保有(ゼロ世帯)です。婚活で「年収600万以上」のフィルターをクリアしている男性でも、資産がゼロである可能性があります。年収は「フロー(流れ)」であり、資産は「ストック(蓄積)」。両方を見なければ生活の安定度は測れません。
極端な例で考えてみます。婚活で2人の候補がいたとします。
年収フィルターでは A が圧勝します。しかし、結婚後の生活を考えると:
どちらが「安心」かは価値観次第です。しかし、年収フィルターだけでは B は見つかりません。
婚活中の独身者(単身世帯)の資産状況はさらに厳しい数字です。
| 年代 | 平均 | 中央値 | ゼロ世帯 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 255万 | 37万 | 33.2% |
| 30代 | 501万 | 100万 | 32.3% |
| 40代 | 859万 | 100万 | 32.1% |
| 50代 | 999万 | 120万 | 35.2% |
30代単身世帯の金融資産中央値は100万円。しかも32.3%(約3人に1人)が金融資産ゼロです。
婚活中の30代男性が「年収600万」をプロフィールに書いていても、その3人に1人は金融資産がゼロである可能性がある — これが統計の示す現実です。
婚活を「年収」だけで評価するのは、成績表の1科目だけで合否を決めるようなものです。年収偏差値と資産偏差値の2軸で見ると、4つのタイプが見えてきます。
| 資産偏差値 高い | 資産偏差値 低い | |
|---|---|---|
| 年収偏差値 高い | 高収入・高資産 理想的だが母数が少ない |
高収入・低資産 稼ぐが貯まらない。生活水準が高すぎる可能性 |
| 年収偏差値 低い | 低収入・高資産 堅実型。年収フィルターで見落とされやすい |
低収入・低資産 資産形成の余力が限定的 |
婚活の年収フィルターは右上(高収入・高資産)を狙って設定されますが、実際にフィルターを通過するのは右上だけでなく右下(高収入・低資産)も含まれます。一方、左上(低収入・高資産)はフィルターで除外されます。
年収フィルターは年収偏差値の1軸でしかスクリーニングできません。資産偏差値という2軸目を加えることで、「貯められる人」と「貯められない人」の区別が可能になります。婚活サービスのプロフィールにこの項目はありませんが、交際中の会話や行動から推測することはできます。
まず自分の年収偏差値と資産偏差値を両方把握することが出発点です。
年収は「フロー」(今どれだけ流れているか)であり、資産は「ストック」(今までにどれだけ貯まっているか)です。
婚活における年収フィルターは、フローだけでスクリーニングしています。しかし、結婚後の生活を支えるのはフローとストックの両方です。
年収偏差値と資産偏差値、2つの座標系で自分の位置を知ること。そして、相手を評価するときも同じ2軸で見ること。それが、データに基づく婚活の判断軸です。
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年収偏差値ラボは、厚生労働省の公的統計データに基づく年収・資産・退職金の偏差値診断ツールを提供しています。すべての計算は令和7年 賃金構造基本統計調査およびJ-FLEC 2025の実データを使用しており、推測値や概算値は含みません。
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