コラム記事 / 職種別に見る教員の年収

【2026年度版(令和8年度)】
教員の平均年収は約693万円
|年収偏差値60.9・実質時給・地域差を解説

公開日: 2026-09-12 更新日: 2026-09-12 監修: DataLabo 編集部 カテゴリ: 職種別データ / 年収偏差値

教員の働き方については「定額働かせ放題」という言葉が話題になることがあります。その背景にあるのが「給特法」という法律です。本記事では、厚生労働省 令和6年 賃金構造基本統計調査の職種別データを使い、教員の年収を当サイトの偏差値モデルに当てはめたうえで、給特法が実質時給に与える影響を解説します。

DEFINITION / この記事で使う数字
職種(小分類)別データとは
賃金構造基本統計調査の職種別統計(第1表)から「小・中学校教員」「高等学校教員」の2区分を、労働者数で加重平均して使用します(給特法の適用条件が異なる「幼稚園教員,保育教諭」は含めていません)。全国平均(494万円)は当サイトの偏差値モデルの基準値(令和7年 賃金構造基本統計調査 結果の概況に基づく)であり、職種別データとは公表年が1年ずれている点にご留意ください。

第1章:教員の推定年収は約693万円 — 偏差値60.9

小・中学校教員(労働者約3.2万人)と高等学校教員(労働者約7.5万人)を労働者数で加重平均すると、きまって支給する現金給与額は月額43.92万円、年間賞与その他特別給与額は165.84万円となり、年収は次のようになります。

区分きまって支給する現金給与額(月額)年間賞与推定年収
教員(男女計、加重平均)43.92万円165.84万円約693万円
全国 一般労働者平均(男女計)34.06万円494万円

当サイトの偏差値モデル(全国平均494万円、CV=0.37)に当てはめると、年収693万円の偏差値は約60.9となり、全国平均を上回る水準です。


第2章:「給特法」が、実質時給を見えにくくする

POINT / 給特法とは
公立学校の教育職員には「給特法」(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)が適用されます。時間外勤務手当(残業代)は支給されず、その代わりに給料月額一律4%の「教職調整額」が支給される仕組みです。教員の月間超過実労働時間(残業)は全国平均で約3.3時間と統計上は短く見えますが、これは公式に計上される残業時間の範囲によるもので、実際の勤務実態とは乖離があるとされる点に留意が必要です。教職調整額は実際の残業時間の長さに連動しないため、残業が多いほど、時間単価で見た実質的な負担は大きくなる仕組みになっています。

第3章:男女で見ると、相対的な位置は女性が高い

区分推定年収全国平均(同性別)年収偏差値
男性約725万円541万円約59.2
女性約638万円415万円約64.5

絶対額では男性(約725万円)が女性(約638万円)を上回りますが、それぞれの全国平均を基準に偏差値化すると、女性の方が高い水準(約64.5 vs 約59.2)になります。


第4章:都道府県別に見ると、東京が突出

図1|教員の実質時給、都道府県別の高低差
REAL HOURLY WAGE BY PREFECTURE — highest vs. lowest, R6 wage structure survey
時給偏差値時給
東京都(全国最高)55.04,038円/h
全国平均50.03,405円/h
島根県(全国最低)43.12,534円/h
実質時給が最も高いのは東京都(偏差値55.0・時給4,038円/h)で、最も低い島根県(偏差値43.1・時給2,534円/h)との差は約1.6倍です。ただしこの統計は36都道府県分のみで、11県は元データが秘匿(非公表)のため比較対象外です。
SOURCE:厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」都道府県別第3表、小・中学校教員+高等学校教員の労働者数加重平均・男女計(36都道府県分)。診断結果には反映していない参考値です。

第5章:あなたの実質時給を診断してみましょう

額面年収だけでは、給特法特有の「残業しても年収が変わらない」という実態は見えません。当サイトの「時給偏差値ラボ(教員版)」では、給特法の教職調整額の仕組みを反映した専用ロジックで、実質時給を診断できます。

教員の実質時給を診断する → 時給偏差値チェッカー(教員版・約1分)


第6章:あなたの年収偏差値も診断してみましょう

あなたの年収偏差値を診断する → 年収偏差値ラボチェッカー(平均値版・約1分)

業種を選ぶ際に近い分類が見当たらない場合は、「教育,学習支援業」など近しい業種を選び、参考値としてご覧ください。


第7章:まとめ — 額面は平均以上でも、給特法が実質時給を左右する

教員の推定年収は約693万円(男女計)で、全国平均494万円に対する偏差値は約60.9でした。額面だけを見ると平均以上ですが、給特法により残業代が一律4%の教職調整額に置き換えられているため、実際の残業時間が長いほど時間単価は目減りする構造になっています。額面年収と実質時給、両方の視点を持つことが大切です。


よくある質問

Q. 教員の年収偏差値はいくつですか?
令和6年賃金構造基本統計調査(職種別)によると、教員(小・中学校教員、高等学校教員の労働者数加重平均、企業規模計・一般労働者、男女計)の推定年収は約693万円です。全国の一般労働者平均494万円を基準にすると、年収偏差値は約60.9に相当します。
Q. 教員の残業代はどう扱われていますか?
公立学校の教育職員には「給特法」(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)が適用され、時間外勤務手当(残業代)の代わりに、給料月額一律4%の「教職調整額」が支給されます。実際の残業時間の長さに連動しないため、残業が多いほど実質的な無給労働の割合が高くなる仕組みです。
Q. 教員の年収は男女で差がありますか?
絶対額では男性が約725万円、女性が約638万円です。それぞれの全国平均(男性541万円・女性415万円)を基準に偏差値化すると、男性は約59.2、女性は約64.5となり、相対的な位置では女性の方が高くなります。
Q. 教員の年収は都道府県によって差がありますか?
はい。令和6年賃金構造基本統計調査の都道府県別データでは、実質時給が最も高いのは東京都(偏差値55.0・時給約4,038円/h)で、最も低いのは島根県(偏差値43.1・時給約2,534円/h)です。ただしこの統計は全都道府県のデータが揃っておらず、36都道府県分のみの比較となります。

編集部より
DataLabo 編集部
年収偏差値ラボ(DataLabo)編集部は、厚生労働省などの公的統計のみを一次出典として、年収・資産・退職金の偏差値を解説しています。本記事は令和6年 賃金構造基本統計調査の職種別統計(第1表・都道府県別第3表)を一次出典とし、当サイトの偏差値モデル(全国平均494万円、CV=0.37、上限90)で試算した参考値です。記事中の「実質時給」の定義・計算式はこちらの解説ページをご覧ください。
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