【参考記事】弁護士の年収はどのくらい?
日弁連「弁護士実勢調査2023」から見る実態
公認会計士・税理士については、令和7年賃金構造基本統計調査の職種別データから年収偏差値を算出できました。しかし弁護士は、雇用されている労働者を対象とするこの統計には登場しません。弁護士の収入について知る手がかりとして、日本弁護士連合会が公表している「弁護士実勢調査」のデータを、公的統計とは別枠の参考情報としてご紹介します。
第1章:弁護士の収入・所得(2023年調査)
日弁連「弁護士実勢調査2023」(有効回答1,954人)によると、弁護士の年間の収入・所得は次の通りです。
| 区分 | 平均値(5%調整平均) | 中央値 | 回答者数 |
|---|---|---|---|
| 収入(経費控除前) | 2,083万円 | 1,500万円 | 1,954人 |
| 所得(経費控除後) | 1,022万円 | 800万円 | 1,839人 |
第2章:弁護士の収入・所得は、2008年から減り続けている
日弁連は2008年・2014年・2018年・2023年に同種の調査を実施しています。経年で比較すると、はっきりした減少傾向が見えます。
この減少傾向の背景としては、2000年代の司法制度改革以降に弁護士登録者数が大きく増加したことがしばしば指摘されています。本記事はその要因分析までは踏み込まず、公表データの推移のみを事実として紹介します。
第3章:経験年数が上がるほど所得は増えるが、ピークは20〜25年目
2023年調査を経験年数別に見ると、所得(平均値)は次のように推移します。
第4章:なぜ、このデータを年収偏差値にしないのか
ここが最も重要な点です。当サイトの年収偏差値は、厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」の雇用者の賃金(全国平均494万円、CV=0.37)を基準にしています。弁護士のデータをこの基準にそのまま当てはめることはしません。理由は3つあります。
- 測っている概念が違う:「収入・所得」は自営業者の事業収支から算出されたものであり、雇用者の「賃金」とは会計上の性質が異なります。
- 調査の方法が違う:日弁連の調査は会員への自己申告アンケートであり、厚労省の事業所調査(賃金構造基本統計調査)のような統計的な抽出調査ではありません。
- 更新頻度が違う:厚労省の調査は毎年実施されますが、日弁連の調査は数年おきです。本記事の元データは2023年(前年の2022年分)が最新です。
推測でそれらしい偏差値を作ることもできますが、当サイトは根拠のない数値を掲載しない方針のため、このデータは「参考情報」として紹介するにとどめます。
第5章:会社員の方は、無料診断で自分の位置を確かめられます
本記事のデータは自営業の弁護士を対象にしたものですが、会社勤めの方であれば、令和7年の公的統計に基づく年収偏差値を無料で診断できます。
あなたの年収偏差値を診断する → 年収偏差値チェッカー(平均値版・約1分)
公認会計士・税理士の年収偏差値についてはこちらの記事で解説しています。
第6章:まとめ — 同じ「年収」でも、統計によって測り方が違う
弁護士の所得は2008年から約39%減少し、経験年数によっても数倍の開きがあることが、日弁連の調査から分かりました。同時に、この数字が厚労省の賃金統計とは異なる測り方をしている点も重要です。「年収」という言葉を見たときは、その数字がどの調査の、どんな定義に基づくものかを確認することが、数字を正しく読むための出発点になります。
第7章:よくある質問
年収偏差値ラボ(DataLabo)編集部は、原則として厚生労働省などの公的統計のみを一次出典としています。本記事は例外的に、日本弁護士連合会という業界団体の自主調査を「公的統計とは異なる参考情報」として明示した上で紹介しています。当サイトの年収偏差値・診断ツールにはこのデータを使用していません。
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